木育森育実践资料集.PDFVIP

木育・森育実践資料集 日本産業技術教育学会 材料加工（木材加工）分科会 まえがき 木材の良さやその利用の意義を学ぶ教育活動 「木育」が2006 年に閣議決定され、国民運 動としての木育活動がスタートした。2016 年で 10年を経過した木育は、赤ちゃんから高 齢者までを対象に、森林等の野外活動から社会教育施設等での活動等、現在では全国民に 対して様々なフィールドで展開され、全国に普及してきている。その中で、小中学校にお ける木育・森育の展開は、各教科で定められた教育内容の縛りから、系統的、継続的な活 動 として取り組みにくい状況にある。 今回作成した資料集は、学校教育、とくに小中学校における木育 ・森育活動の推進に向 けて、学校教育において導入可能な製作題材や教材および学習プログラムを掲載している。 小中学校の教員をはじめ、市民団体の方々の木育 ・森育活動の展開に際し、参考にしてい ただければ幸いである。 目 次 1 木育・森育について ････････････････････････････････････････････････････････ 1 （熊本大学・田口浩継） 2 木育・森育の学校での実践における目標 ･･････････････････････････････････････ 3 （埼玉大学・浅田茂裕） 3 木育 ・森育の目標と学習指導要領との関連 ････････････････････････････････････ 4 （埼玉大学・浅田茂裕、大阪教育大学・永冨一之） 4 森林、木材に関する基礎知識 ････････････････････････････････････････････････ 7 （埼玉大学・浅田茂裕） 5 木育・森育に関する教材・プログラム事例 ･･･････････････････････････････････ ８ （日本産業技術教育学会材料加工（木材加工）分科会） （１）製作 ･･････････････････････････････････････････････････････････････ 10 （２）実践事例 ･･････････････････････････････････････････････････････････ 52 （３）教材・その他 ･･････････････････････････････････････････････････････ 61 6 これからの国民運動「木育」の普及活動に向けて ･････････････････････････････ 66 （島根大学・山下晃功） 1 木育・森育について 平成 16年に北海道から始まった「木育」が、国レベルでも取り上げられ、全国各地に広 がりを見せている。最初に取り組んだのは、大学の有識者、林業の関係者、木材産業の関 係者であったが、現在は学校の教員や、学生、ＮＰＯと関わる人の職種も広がりを見せて いる。これは「木育」という言葉が造語であり、見る人・聞く人により、いろいろなイメ ージと可能性を与えるからかも知れない。 「木育」とは、現代日本が抱える森林問題を解決したり、生き方を問い直したりする社 会運動とみることができる。過疎化や少子高齢化が進行する中山間地域を、環境保全的に 発展させたり、社会的共有材でありながら荒廃した森林の再生にどう取り組むかが主要な 課題である。一方、都市部においても物理的環境、生活環境、人間関係など、人間的生活 条件の悪化が問題となっている。このような中、山村問題と都市問題を解決する１つの取 り組みとして、森林と人間との関係、森林と社会との関係を今一度構築し直すという取り 組みを「木育」と捉えることができる。 「木育」を、単に「木材の需要拡大を目指した消費者教育」と捉えることは、現在の市 民の実情には適合せず、経済的目的となじまない。その意味では、木育は「木に対す