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Title 組織内エコロジー:ハーゲルマン･モデルの展開 森, 康一 Author(s) 經濟學研究 = ECONOMIC STUDIES, 42(3): 16-31 Citation 1992-12 Issue Date Doc URL /2115/31918 Type bulletin 42(3)_P16-31.pdf File Information Instructions for use 経済学研究必ず 北海道大学 1992.12 組織内エコロジー バーゲルマン・モデルの展開 ァに 康ー 耳司t 1 はじめに の批判とそのf麦のハナン=フリーマン (1989) の意見修正を精査することにより，われわれの ハナンニフリーマンが1977年の論文でエコ 規定するリニューアルをおこなう組織の存続可 ロジーという概念を経営組織論に導入して以来， 能性を検討することを目的とする。 「組織エコロジー」が学会で注目されている。 パーゲJレマン(1990，1991)は，彼のモテゃルを「組 2.パーゲルマンの組織内エコロジー・モデル 織内エコロジー」と名づけてエコロジーの概念 を戦略論に取り入れると共に，大きな組織変化 ノTーゲ、ルマン (Burgelman，1983)は，社内ベ の成り行きに関して意見が対立しているハナン ンチャー制度を採用している化学会社，GAMMA 984) とタッシュマンニロマネ ニフリーマン(1 社(仮名)をケース・スタディーすることによ リ(1 985)の主張を取り上げて検討している。 り，変異(バリエーション)ァ選択保持をフ すなわち，彼は，環境の選択圧力は慣性の高い レームワークとするモデルを構築している(【図 組織を選択するために大きな組織変化が成功す 1】)。彼のモデルは2つのプロセス，すなわち ることは稀であるとする主張(ハナンニフリー 「先導的戦略プロセス」と「自律的戦略プロセ マン)と，環境の断続的変化を認知することに ス」から構成されているが，後者を介して よってなされるトップの戦略的決定が組織を大 GAMMA社の多角事業の一つにヘルスケア事業 きく変化させて新たな環境との適応に結び付け が追加されることなどを示した九 るとする主張(タッシュマン=ロマネリ)とを 取り上げるo そして，彼のモデルで説明される 「リニューアル」は I自律的戦略プロセス」を 介する組織変化であるがために，両理論の矛盾 を解決できると述べている。しかし，それ以上 の論述は少ない。われわれも基本的にその主張 に同意するが，彼のモデJレをより有益な実践的 ー-・弱い影響 モデルに展開する必要があると考える。従って， ー→強し当影響 本稿ではパーゲルマンの組織内エコロジー・モ 【図1】パーゲルマンの組織内エコロジー・モデル