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Title 日本産シダ植物の分布の類型化と特徴 佐藤, 利幸; 酒井, 昭 Author(s) Citation 1978-03-30 Issue Date Doc URL /2115/17832 Type bulletin 35_p45-53.pdf File Information Instructions for use Toshi}ァukiSATOandAkiraSAKAI1977 DistributionalPatternizationsandCharacter- isticsofT.aranesePteridophyta. LowTemj叩7叫 ureScicJ1ce，Ser.B，35. (iVithEnglish Summaryp.ラ3) 日本産シダ植物の分布の類型化と特徴* 佐藤幸Ij幸・詔井 昭 (低 J品科学研究所) (1昭和 52年 11月受理〉 1.緒 官・ 日 0 C 日本は北緯約24から 45.5にわたり南北約3，000km の長さをもち，中央部は標高 2， 000~ 3，000m の山脈が連なる弧状列島である1)。降水量は年間約 1， 000~4， 000 mm，年平均気温は， 6~22CC とかなりの11屈が見られる叱 植物相は南は熱帯性植物めから北は亜寒帯性植物4，5)に至 るまで極めて変化に富み6，へ椴物の種類も豊かで8-21) 日本列島の成立に伴った地史的要素の 複雑さが植物相にも反映している1，2へ その中で日本のシダ植物に関しては， 古くから多くの 愛好家，専門家によって採集，研究が続けられ，記載及び系統分類学の立場からの研究17，20，23) では，他の植物の研究によヒベ，かなり整理されている分野といえよう。 現在日本では約600 種3，17，20，23) (研究者によっては 800~1， 000 種戸4 ， 25) のシダ植物が知られている。 個々の種のもつ生活域の広がりは，それぞれの種の形態及び生長過程が異なる払m と同様 に種の環境に対する許容度及び選択性によってかなり異なるが，日本全体についてシダ植物を ながめてみると分布様式がかなり類型化できる。一般に媛帯性，i昆帯性シダなどという言葉が 用いられているが，それらの分布域がどこをまた何を基準にしているのか必ずしも明らかでな く，また従来の細胞学的28)，生態学的29)及び分類学的30-33)研究の中で， ある特定の種，属， 科においては正確な分布図が報告されているが， 日本の約600種のシタ 類型化がなされた併剖34ぷ訓，3335)お幻)は殆んど知られていない現状でで、あるO 本論文ではシ夕、植物の環境適応，とりわけ温度適応の生態学的研究を行う第一歩として， 日本産シダ、植物594種の分布域，とくにそれらの北限を主体として類型化を試み，あわせて緯 度の高まりにともなう種類数の変化を調べた。 H. 材料及び方法 京都大学理学部植物標本室の標本に基づいて，Pteris，Plagiogyria，Dryopteris，Arach- nzodes・ ，Adiantum，A1atteucciaの分布図を作成した。さらに Lycoρodium，Selaginella，Equi- setumは日本の主な大学標本庫，国立博物館標本室の標本に基づく資不ド6)から分布図を描い た。他のほとんどの種は，植物誌3，2o，3742L 論文28-34，53-110) 図鑑及び図説11，12，15)に示されてい る分布域のうち採集地が明記されている資料に準拠し上記の属に含まれる種は，両者を加味 *北海道大学低 iHil科学研究所業績 第 1878号