中国建築科学研究院の概要.pdfVIP

中国建築科学研究院の概要 中国建築科学研究院 執行院長 袁振隆 一、CABR(China Academy or Building Research)の概況 中国建築科学研究院(CABR)は 1953 年に設立し、元は建設部直属の中国建設業最大かつ学科の 最も整備された総合科学研究機関であったが、2000 年10 月1 日の制度改革により中央直属の科 学技術型企業となった。CABRの主な役割は中国建設事業に関する応用研究と開発研究を主とし、 建設工事の中核的技術問題の解決を図り、中国の主要な建設工事技術の基準や規範の作成、改訂 および管理を担当し、国の建築工程、空調設備、エレベータ、化学建材の品質監督検査と試験の 仕事を担い、業界に必要な基礎的公益性技術研究を展開すると共に、常に中国建設業界の技術的 進歩をリードすることである。 2003 年末までにCABRが完成させた科学研究成果は2215 件、そのうち91 件は国家レベルの賞 を獲得し、373 件は省もしくは部レベルの賞を獲得した。監修した規範、基準は453 冊、取得し た国家特許は167 件ある。 CABRの職員は総数1131 名、そのうちアカデミー会員2 名、中国工程設計大師2 名、研究員146 名、副研究員と高級工程師が310 名である。現在CABRは博士学位授与権をもつ専攻が3 学科と 修士学位授与権をもつ専攻が5 学科あり、博士課程指導教官21 名と修士課程指導教官57 名を擁 している。また博士号取得後のプログラムも設けている。 CABRは建築構造、地盤基礎、耐震工事、建築材料及び製品、建築物理、空気調節、建築防火、 建築設備施工の各研究所、建築設計研究院、建築機械化研究院および住宅産業研究設計センター、 深框分院、上海分院など研究機関、それに科技幹部育成センター、研究開発センター、基準規範 研究センターを設けている。 中国建築学会、中国土木工程学会など二級以上の学会35、三級の学会20 がCABRに依拠してい る。 CABRが主宰する専門出版物は 『建築科学』『工程品質』『建築機械』『建築機械化』『中国エレベ ータ』『工程耐震』などで、出版協力しているものは『建築構造学報』『土木工程学報』などがあ る。 現在、CABRはすでに日本、フィンランド、イギリス、カナダ、フランスなど30 以上の国と地 域の著名な建築研究機関と技術協力関係を結んで、積極的に対外技術協力交流を展開している。 二、主な研究分野 CABRがカバーしている研究活動には、建築構造、地盤基礎と都市地下空間、住宅体系と製品、 耐震工事と防災減災、インテリジェント建築、建築環境と省エネ、建築 CAD、建築機械と施工、 新型化学建材、建築設備施工など70 以上の研究分野がある。 87 （一）建築構造：主な内容は、プレストレス技術、高層建築構造技術、大スパン空間構造技術、 建築構造測定及び評価改善技術、建築構造模型実験及び試験装置、建築構造分野の基本理論研究 （構造信頼性、コンクリート構造基本理論、ハイブリッド構造など）、鉄筋接合技術、鋼構造技術、 カーテンウォール技術など。構造安全システム技術としては、超高層技術と鋼構造技術、プレス トレス技術と大スパン空間技術、耐震補強技術、地下空間と基礎工事新技術、新建材と添加剤技 術、防火材料技術、高層鋼構造の民用住宅への応用に関する一連技術など。CABRは現在、上記技 術分野ではかなりの力量があり、国内トップの地位にあって、今後もこの分野の研究開発に力を 入れて行く。このほか、構造安全性測定評価技術や地下空間総合利用技術を強化し、異なる研究 分野の技術発展がアンバランスという制約を打破して、総合技術（例えば計画設計、構造安全、 防水、空調、防火、照明など）面の発展を加速し、国際化大都市の指標の一つである地下空間利 用に関してわが国で顕著な成果を勝ち取る。 （二）地盤基礎：主な内容は、地盤基礎設計、特殊土地盤の研究開発、地盤処理技術の研究開 発、杭基礎技術の研究開発、高層建築ボックス?べた基礎設計の研究、深ピット山止めの研究開 発など。CABRが行った上部構造-基礎-地