岩井邦中＊＊小山隆文＊绅-日本气象学会.pdf

551．577 種々の液滴の落下中の形について＊ 岩井邦中＊＊小山隆文＊紳 　要旨 　表面張力，密度等の異なる比較的大きな，種々の液滴の落下中の形，主にその変形の仕方について実験的 に調べた．その結果，落下中の液滴の形状が扁平による度合であるα／6（2αは高さ，26は水平方向の 最大直径）は表面張力，液滴周囲の空気力学的影響（落下速度，空気の密度），液滴内の静水圧（密度，大 き・さ）で作る無次元数　1／2ρ・172＋2ρ乙9αoをとればほぽ定まることがわかった．すなわち液滴の落下中の 　　　　　　　　　　　　　　　2σ 　　　　　　　　　　　　　　　α0 形は上の無次元数をとれば液体の種類によらないで，ほぽ相似性のあることがわかった．しかしエチルアル コール，n一ブチルアルコール，イソプ・ピールアルコール等の一価のアルコール類は前述の無次元数をとる とσ乃が大きい領域にずれる．　またアルコール類の落下中の形の特徴は底面から側面にかけてのわん曲が 鋭くなっており他の液滴と異なった形状を示していた． 　1．はじめに であることによる．またある程度レイノルズ数が大きく 　水滴の落下中の形，落下速度，分裂等に関してレナー なると，境界層が剥離し，液滴後面に非定常の渦流域が ド以来多くの研究が行われてきた． 生じ，それらが液滴の形にも関係してくるからである． 　孫野（1954），熊井と板垣（1954）は落下中の水滴，　今井（1950）は落下中の水滴の形を理論的に求めた． 雨滴の写真をストロボ法により撮影した．McDonald 彼は水滴の変形に関してのみ，そのまわりの圧力分布を （1954）はMagono（1954）による水滴の写真をもとに 球のまわりのポテソシャル流による圧力分布と仮定して して落下中の水滴に関して定量的な解析を行い，その形 解いた．その結果水滴の落下中の形は回転楕円体になり， を支配する物理的因子として，表面張力，水滴のまわり 中心を通る水平面に対して上下対称になることを示し の空気力学的な影響（空気の密度，落下速度等），水滴 内の静水圧（大ぎさと密度），水滴の電荷，水滴内の渦 浮遊させその形を求めた．その結果相当半径σo（体積が 流等を考え，主に初めの3つの項が重要であることを指 摘した． による結果と非常によく一致することを見い出した．し 　液滴が無重力状態で静止しているならば，表面エネル かし大ぎな水滴の形は孫野（1954）等の結果から知られ ギー最小，したがって表面張カー定ならば表面積最小で ているように下部は平らで上部はなめらかで丸みを帯 ある球形になることはよく知られている．しかし液滴が び，中心を通る水平面に対して上下対称性からかなりず 重力場の中を空気の抵抗を受けながら終速度で落下する れており，今井（1950）による理論的結果とずれている ときの液滴の形を理論的に解くことはかなりむずかしい ことを示した． とされている．何故なら液滴はまわりの圧力分布に局所 的につり合うような形になるが，まわりの圧力分布は形 が大ぎいところでは，水滴のまわりの圧力分布をFage がわからなければ理論的に求めることができないからで （1973）による球のまわりの圧力分布を用いて理論的に形 ある．すなわち液滴のように変形しながら落下する場合， を求めることを試み，ほぼ実験による水滴の形と一致す 形と圧力分布は相互に関係し合っており，両者とも未知 る結果を得ている．しかし大きな水滴では，彼