日本经济思想史第2回-东京大学.PDFVIP

日本経済思想史2004 2004/10/20 日本経済思想史 第２回 2004年度冬学期 武田晴人 ‡ ：このマークが付してある著作物は、第三者が有する著作物ですので、同著作物の再使用、 同著作物の二次的著作物の創作等については、著作権者より直接使用許諾を得る必要があります。 Haruhito Takeda 1 日本経済思想史2004 ２ 日本人の企業観 はじめに 前回の講義で出された問題 なぜ日本人は、企業に対する所有権の制限を受 け入れたか。 その理由は、伝統的に弱い「所有」の観念にあるの ではないか。それはなぜか。 Haruhito Takeda 2 日本経済思想史2004 企業を財やサービスの提供(生産)を行う機能的な組 織とみなすと、そうした財やサービスは、新しい分野の 登場によって横に広がりを見せるとはいっても、元々 あった機能がその社会から失われることは、まれであ ろう。 もちろん、飛脚から郵便へというような、あるいは駕 籠から鉄道へ、自動車へと移り変わるように、人や荷 物の移動とか、情報の伝達とかの機能に着目したとき には、その具体的なあり方が大きく変わることもあり、 そのために、その担い手も大きく交替することは当然 あり得る。 しかし、そうした決定的な基礎技術の転換がなくても、 提供者の企業が変わることが当然であるというのは、 果たして、正当な歴史の理解だろうか。 Haruhito Takeda 3 日本経済思想史2004 企業の形態・継続性と企業の基本機能 例 鉄道の歴史 私有鉄道や国鉄、そして現在のJRのように企業の 形態は変わっても、サービスは提供され続ける。その 担い手の交替がなぜ生じるのかは、それなりに説明を 要するものであろうが、継続される企業の「基本機能」 という視点から見ると、出資者の変更や会社形態の変 更は、それほど重要な問題とはならない。 提供される財やサービスは、技術的な合理性を追求 しながら、産業企業間の連携の下に生産され続けて いることには変わりがない。 Haruhito Takeda 4 日本経済思想史2004 現在の企業論の最大の問題