海面上升研究-SIM-国土技术政策总合研究所.DOCVIP

会議資料：海面上昇研究（B-12）サブ代表者打ち合わせ（０２０３２８） サブテーマ２：沿岸部都市域における海面上昇の影響評価と適応策 　国土技術政策総合研究所　　小林英之 はじめに 目的：海面上昇の影響が懸念される、人口が密集する沿岸部の都市域に関して、 （１）調査対象都市への影響評価結果を、共通のＧＩＳデータとして蓄積する （２）アジア?太平洋地域において汎用性のあるデータ構築の方法を開発する 対象：インドネシアにおける沿岸都市を扱う （理由）８万キロに及ぶ海岸線と、多くの人口を要する都市が存在するにもかかわらず、これまで信頼できるデータがないこと 　　　　都市に多様性があるため、方法としての成果に汎用性が期待できること 方法：衛星画像解析と、現地調査の手法を併用する。 ●年度別計画 １９９９年度 フィージビリティ?スタディ実施 ２０００ 市街地類型の抽出、生じうる諸問題の識別、方法論の試行 ２００１ 衛星画像解析、住宅サンプリング調査の実施 ２００２ 適応策の検討、ＧＩＳデータとりまとめ、解析パッケージ作成 　　　　毎年度末に、バンドンで現地セミナーを実施。新聞や国営放送からの取材もあり。 ●インドネシアの状況 ２月前半に、２０年来の大水害が首都ジャカルタで発生、冠水は２月末まで及び、このためジャカルタ調査は予備調査のみに留まる。状況が安定した後に再調査を予定。 昨年度のセミナーで高潮被害が話題となったスマラン市について、適応策が検討されつつある。 インドネシア７都市における住宅サンプリング調査 インドネシア居住?地域基盤整備省人間居住研究所の協力により、７都市、８０棟の住宅サンプルを調査。影響評価の原単位となる。住宅?家財道具の価値を把握することが目的。これに加えて、これまでの高潮?水害等による建物、インフラの被害、及び社会経済的損失の調査を実施した。 住宅?市街地の類型は、近代的な商店街?公共施設、工場?倉庫などについては、共通性があるのに対し、沿岸部に多く立地する非計画的な住宅地（一部スラム）は、伝統的な住宅の影響を受け、地方差が大きい。このような地区を重点的に調査した。 昨年度、問題発掘の調査を行った６都市のうち、地形図の得られなかったパレンバンを外し、代わりに観光施設の沿岸部への開発が進みつつあるデンパサール、マタラムを加えた。調査対象都市：ジャカルタ、スマラン、スラバヤ、デンパサール、マタラム、バンジャルマシン、マカッサル 現在、サンプリング調査結果の分析?集計作業中。 結果として、類型別に、以下の数値（原単位）を明らかにする： －建築密度（棟数／ヘクタール） －棟当たり建築材料の総量 －棟当たり家財道具の総量 －全損の場合の被害額 －浸水深さ別の部分的被害額 Gambar : 7 Pulau Serangan dan hunian tradisional Bali yang telah di mendapat pengaruh modernitas milik nelayan di pulau serangan （家屋実測調査結果例：バリ島デンパサール対岸の観光施設開発予定地スランガン島：セミナー発表資料より） スマランにおける前駆的?前兆的諸状況 　 完全に水没した住宅 当面、住宅の内部に土を盛ってしのぐ 　 個別建替えによる適応　　　　集合住宅（市営）による適応２．空中写真?衛星画像?地形図の解析によるマクロ分析 マカッサルの解析結果 市街地類型 0m 0-1m -2m -3m -4m 非計画的住宅地?スラム - 計画的住宅地 - - 公共建築物 - - マカッサル : 市街地類型別?標高別エリア区分（GIS） ??市街地類型 ??????????????????????? ?標高 ???0m ?? 0-1m ??1-2m ???2-3m ??3-4m 非計画的住宅地?スラム 12.7765 10.1163 ?57.4270 ???3.2051 0.0000 計画的住宅地 ?0.0000 ?0.0000 ?27.8788 ?652.1688 1.8206 公共建築物 ?0.0000 ?0.0000 ?56.2596 ?235.7445 ?42.1709 ?マカッサル : 市街地類型別?標高別面積集計（ヘクタール） スマランの解析結果 スマランにおいては、恐らく地盤沈下による海岸部の高潮被害が数年来問題となっている。これらの被害は必ずしも海面上昇によるものではないが、将来海面上昇が進行した場合に発生する現象と、それに対する住民の対応を、先駆的に示すものと考えられる。 建築と市街地の類型の把握のために、解像度の高いIKONOS