校内石探検队.PDFVIP

校内石探険隊 １ ねらい 学校内には庭石、記念碑、門柱、校舎の床材や壁材などの建材として多くの岩石が使われ ている。 学校内に見られる岩石を観察したり分類したりする活動を通して、石の種類やでき方につ いて考えさせる。 ２ 準備するもの ルーペ、岩石カード、岩石図鑑、岩石標本、デジタルカメラ ３ 観察・実験の方法 (1) 身の回りにある代表的な岩石（泥岩、砂岩、礫岩、 花こう岩、安山岩、変成岩など）の標本を観察する。 (2) 岩石の組織や模様などについて、「岩石観察カード」 に観察したことをまとめる。 (3) 観察したことをグループで発表し合う。 (4) 「岩石分類カード」に岩石のスケッチまたは写真を 張り、特徴や気づいたことをまとめる。 (5) 岩石カードの標本と見比べ、校舎内にある石を分類 し、「校内岩石分布地図」を作成する。 ４ 留意点 (1) 小学校学習指導要領では、「Ｃ地球と宇宙(1)-ア 土 地は，礫，砂，粘土，火山灰及び岩石からできており, 層をつくって広がっているものがあること。(4)-ア ア で扱う岩石は，礫岩，砂岩及び泥岩のみとすること。」となっている。また、中学校学習指 導要領では、「第２分野（２）大地の変化 大地の活動の様子や身近な地形、地層、岩石な どの観察を通して、地表に見られる様々な事物・現象を大地の変化と関連付けてみる見方 や考え方を養う。」とし、(2)-ｱと(2)-ｲ「堆積岩、火山岩、深成岩を扱う」となっている。 しかし、日常児童・生徒が生活する場には、堆積岩は少ないため、堆積岩を観察させるこ とは難しい。身近にある門柱、石碑、床や壁などの建築材には火成岩（花こう岩）、庭石に は変成岩が多く使用されているので、子どもたちには火成岩や変成岩についても学習させ ることが必要である。 (2) 「校内石探険隊」では、校内の岩石を対象としている。岩石を観察する場合、組織を観 察するためにハンマーなどを使って、岩石の新しい面を出すことができないので、ルーペ などを使って観察する。 (3) 岩石の分類は、岩石のでき方や組織の違いなどによって分類されている。同じ組織をで あっても、色の違いによって全く違う種類の岩石に見える場合があるので留意する。 - 1 - ５ 結果 「校内岩石分布地図」の例 - 2 - ６ 発展 (1) セメントの原料は堆積岩 セメントの原料は、堆積岩の石灰石と粘土、鉄さい（鉄鉱石を製鉄するときに出る残り カスのこと）であり、原料の70～80％を石灰岩が占める。また、この３つの原料の割合に よって、セメントの性質が異なるため、いろいろな用途に使われる。 ３つの原料はそれぞれ粒の大きさが異なるので、割合を正確に調整してから、化学反応 がしやすいように同じ大きさになるように粉砕し、約1500℃くらいの高温で一度焼いた後、 最後に冷却機の空気で冷やす。最後に、少量の石こうを混ぜて製品化される。石こうは、 水と混ぜたとき、セメントが固まる早さをコントロールするはたらきをする。石こうの粒 が大きいとセメントが固まり難いので、細かくするとよいセメントになる。 (2) 堆積物（泥、砂、礫など）が固まる理由 堆積物の粒子のすきまに入った水は、堆積物の成分を溶解したり、沈殿物をつくったり、 化学反応を行ったりして、堆積物を変質させながら固化を進める。この固化は、おもに堆 積物のすきまに沈積した石英（SiO2）や方解石（CaCO2）が堆積物の粒子を粘着させることに よる。 また、堆積した環境の温度・圧力の条件によって、堆積物中の鉱物の結晶が成長したり、 異種の鉱物と反応したりして、新しい組織をもった岩石をつくることもある。その後、堆 積した堆積物の重さで圧縮され、粒子のすきまに入っていた水を放出して、組織はち密に なり硬化する。 一般に、古い時代につくられた岩石は新しい時代の岩石よりも堆積物を石化する作用が