后藤秋正等：《杜诗引得》补记3.pdfVIP

    Title 『杜詩引得』補記（Ⅲ） Author(s)後藤, 秋正 / 樋口, 敏也 / 溝淵, 由希 Citation北海道教育大学紀要, 人文科学・社会科学編, 59(1): 1-16 Issue Date2008-08 URL Rights Hokkaido University of Education 北海道教育大学紀要（人文科学・社会科学編）第59巻 第1号 平成20年8月 August，2008 『杜詩引得』補記（Ⅲ） 後藤 秋正・樋口 敏也・溝淵 由希 北海道教育大学札幌枝漢文学研究室 GOTOAkinobu，HIGUCHIToshiyaandMIZOBUCHIYuki 概 要 杜詩を研究するに際しては，その詩語がいかなる様相のもとに使用されているかを正確に把握することが 不可欠である。この点で，翻宋刻『九家集注杜詩』を底本（「杜詩補遺」の部分は『社詩詳注』を底本とする） とした社甫の詩の一字索引である『社詩引得』（恰仏燕京学社特刊14，1940。台北影印，1966）が果たして きた役割は大きなものがある。しかし，これを利用する際には，留意しなければならない点がある。同書の 第三冊（一字索引部分）は，まず，当該の一字を含む詩句を列挙した後に，熟語を別に掲出している。とこ ろが，前満で具体的に例を挙げて述べたように，ここに掲出される語彙は，主として名詞的な「合成詞」で あり，時に，その抽出の仕方が窓意的と思われる部分が多く存在する。そのために，連続性をもつ語を検索 しようとすると，当該の一字を含む詩句を改めて通覧しなければならず，作業能率が極めて悪い。 そこで，本資料においては，特に『社詩引得』の語彙の掲出の仕方を吟味し，連続して用いられる語を改 めて別に提示し，社詩中の詩語の検索を容易にすることを通して，その詩語使用の実態を把握するための便 宜を碇供することにする。よって，ここで言う「連続して用いられる語」には，「不復」「人今」などのよう に，詩語とは言えないものも含むことになる。 なお，当該書に過不足なく掲出されている語彙については再掲することはしていないので，利用に際して は当該書と本稿を照らし合わせていただきたい。 凡 例 1 見出し字の配列は，すべて『杜詩引得第三冊』の掲出順とする。本文に付されている四角号嶋や，当 該句に付されている句の所在を示す記号もこれに従う。 2 まず，見出し字が語頭にくる，連続して用いられる2字の語彙で2例以上見られるものを，ついで3字 の語嚢を配列する。これらの掲出順も『杜詩引得』に掲出された順とする。 3 連続していなくとも，関連を有する一連の語は「→」符号を用いて掲出し，参照の便をはかる。 4 「二年」のように，本文中には4例見えるのにもかかわらず，「乾元00春」，「大歴00調玉燭」の2