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第 22 課監視される社員たち 会社が社員一人一人の行動を監視する動きが広がっています。社員による個人情報の流出事件が相次いでいるからです。内部からのを防ぐ新しいシステムも次々と開発されています。する社員を顔の特徴で識別。こちらはデータをコピーしようとすると警報で知らせます。 担当者：社員が信じられないっていうのは不幸なことだと思いますけれども。社員：当然、もう必要な時代に来ていると思います。 この会社では社員が行うパソコン操作をリアルタイムで監視、不信な動きがないか徹底的にチェックしています。 男性：何か事件性があった時に、もうすべて特定できますんで、すぐ解決できるようになっております。 情報流出の裏側で広がる社員監視、その実態に迫ります。 キャス夕：こんばんは。クローズアップ現代です。個人情報といいますと、名前、住所、あるいは電話番号、さらには、クレジットカードの番号などが含まれます。企業が持つ、こうした個人情報が会社の情報を扱う内部の何者かによってひそかに外部に持ち出されてしまいますと、企業の社会的責任は深く傷つくことになります。身に覚えのない請求書を受け取ったというお客さんからのクレームで初めて情報流出に気がつくというケースもあります。こちらをご覧いただきましょう。これは今年、社員あるいは業務委託した社員によって個人情報が不正に持ち出された、あるいはその疑いが強いとされている九つのケースです。ソフトバンク BB では 451 万人分が流出しました。会員全員にお詫びとして 500 円分のギフト券を配り40 億円の経費がかかりました。通販大手のジャパネットたかたでは 51 万人分が流出。営業した結果、 100 億円以上の損失が出たということです。情報を扱う社員に対する企業の監督責任がこれまで以上に厳しく問われるようになっています。その結果、企業は社員の行動を監視する動きを強化しているのです。情報の不正な持ち出しを防止し、不正行為が行われたことが即時に検知できるようにするなど、社員の行動を監視する様々なツールが導人されています。これまでのように従業員を信用することが当たり前ではなくなっている企業の実態からご覧いただきましょう。 今年 4 月、大手石油会社で92 万人に上る個人情報の流出が発覚しました。流出したのは会社が発行するクレジットカードの会員情報です。会員情報には名前や住所、電話番号、生年月日などが含まれていました。会社では会員全員にお詫びとしてガソリン 500 円分の割引を実施。使った経費はおよそ 5 億円に上りました。 クレジットカードの発行業務を行うカードセン夕一です。情報流出が内部の関係者によるものだと分かり、社員が会員情報を持ち出せないよう、徹底した対策を始めました。まず見直したのはオプィスのレイアウトです。これまでは仕切りがなく、 200 人あまりの社員が自由に行き来できました。これを業務ごとに細かく部屋を分けました。会員情報が入ったコンピュー夕がある部屋に人出できるのは 7 人の担当者だけに絞りました。部屋に入るためには IC カードと指紋による認証が必要になりました。入り口には監視カメラが設置され、いつ、誰が出入りしたのか、すべて記録されています。使うパソコンも 2 台に分けました。 1 台は会員情報の閲覧専用のパソコン、もう 1 台は一般の事務用のパソコンです。閲覧専用のパソコンは会員情報の入ったコンピュータとつながっていますが、事務用のパソコンはつながっていません。また、データのコピーや印刷、メールでの送信ができないため、会員情報の外部への持ち出しは不可能だとしています。 ：物理的にどうやったって持ち出せない環境を作るということによって、まあ、そのみなさんの働いている人の神経を訴えると。 2 度と起こらないというふうに確信をしております。 情報流出を防ぐためには、まず社員を疑う。その考えをさらに徹底する企業も出てきました。 リーダー：いち、機密情報の社外への持ち出しは行いません。 社員全員：いち、機密情報の社外への持ち出しは行いません。 社員 750 人のマーケティング会社です。他の会社から顧客情報を預かり、市場調査や電話による顧客対応などを請け負っています。預かっている情報は 500 万人分に上ります。先月中旬、この会社が導人したのは社員のパソコン操作を監視するシステムです。 担当者：この画面はですね。今、あちらのパソコンで操作している内容がすべてこちらのモニターのほうでリアルタイムに見ることができるという、いわゆるパソコン版の監視力メラというものになっています。 個人情報を扱うことができるパソコンは 160 台。そのすべてが監視用のコンピュータとネットワークでつながれています。社員がパソコンを操