2005年‘真’.docVIP

2005年度　形成外科　真プール問題一覧 担当：8班 １．遊離自家植皮術と有茎皮弁（いわゆる皮弁）との違いとそれぞれの適応についてべよ。 解答： 遊離性自家植皮術 有茎 移植床よりの血行再開で生存する。 皮膚だけしか生存できない。 弾力性、移動性が少ない 色素沈着を起こしやすい 外力に対する機能が弱い 全欠損部に用いられない 血行不良の移植床に用いられない 骨、腱などに癒着しやすい 骨皮質、露出腱には生着しない 表情活動が比較的でる 圧迫包帯を必要とする 手術は一回で良い 皮膚弁自体の血行で生存する。 他の組織も含めて移植できる。 ←多い ←起こしにくい ←強い ←用いられる ←用いられる ←癒着しにくい ←生着する ←出ない ←必要としない ←複数回必要とする 遊離自家植皮術は、あらゆる原因で起こった皮膚欠損（外傷、熱傷その他）、顔面その他の部位に発生した瘢痕、瘢痕拘縮などである。 　有茎皮弁の適応は、①広範囲な皮膚軟部組織欠損で、骨や深部重要組織が露出している例、②早期あるいは一期的な修復が必要な例、③2種類以上の組織が複雑に欠損している例、④血行不良部位の再建を必要とする例、⑤陥凹部の修復を必要とする例、⑥特殊な器官や部位の再建を必要とする例などである。 解説： 移動組織 生着率 移動法 腱、骨上の移植 生着後の拘縮 遊離植皮術 皮膚の一部分または全層 不確実 1回の手術で完了 生着しない （＋＋＋）～（±） 有茎皮弁 皮膚＋α 確実 数回の手術を必要とする 生着する （－） Z形成術とW形成術を図示し、それぞれの特徴と適応の違いについて述べよ。 解答： Z形成術には延長効果、位置を変える効果、直線を分断する効果、四面体効果の、四大効果がある。 W形成術は直線状切開線の変わりにジグザグ状切開線を使い、Z形成術の直線分断効果と全く同じ目的で用いられる 　　 ?W形成術とZ形成術 　同じ直線分断効果でも両者には徴妙な違いがある. ①Z形成術には延長効果があるがW形成術にはない従って軽度の拘縮を伴った線状瘢痕には前者が勝る ②Z形成術には立体的要素が強く出るため凹凸が多くなるがW形成術では平坦に近い面となる美容的効果としては後者が勝る ③W形成術では正常皮膚を切除するしかしこのことが必ずしも眼瞼などの傍で使えない理由とはならない④W形成術の作図は屈曲あるいは歪曲した瘢痕にはかなり難しいがZ形成術は適当に間を置いて作図できるのでやさしい Z形成術の臨床応用としては、顔面神経麻痺の陳旧例に対する再建手術、切断指再建、瘢痕拘縮除去術、片側口唇裂形成術などがある。 W形成術の臨床応用としては、線状癩痕の修正、植皮縁拘縮の予防、四肢の切開線への利用、巨口症の縫合線、母斑の切除、腹壁ケロイドの切除などがある。 有茎皮弁と遊離皮弁についてそれぞれの利点と欠点、適応の違いについて述べよ。 解説：　有茎皮弁とは皮弁を体から完全に離れた状態にすることなく、グラフトへの栄養血管の一部を残しつつrecipient siteに移植するもので、血行は主にそれらグラフト基部の血管に依存するものです。一方遊離皮弁とは血管を含めいったん体から遊離したものを体の他の部位に移植するもので、血行は主にrecipient siteの血管とグラフト内血管との治癒機転としての吻合?血管新生に依存するものです。ただ最近はマイクロサージャリーの発展や微小血管吻合器の開発などにより血管つき遊離皮弁を採取し、それをrecipient siteの血管と吻合する、ということが可能になり、将来増えていくと思われます。その場合、術者の技量如何で遊離皮弁も有茎皮弁並みの血行が得られることになり、上に載せて周りを縫うだけの場合とは話が違ってきます。 解答： 有茎皮弁； 利点?皮膚以外の組織(脂肪、筋肉層、神経、骨など)も含めて移植できる。弾力性?伸展性に富む。色素沈着を起しにくい。外力に対する機能が強い。全欠損部にも用いられる。血行不良の移植床にも用いられる。骨?腱などに癒着しにくい。骨皮質、露出腱にも生着する。圧迫包帯を必要としない。移動後の二次拘縮はほとんどない。 欠点?基部の血行を保つためグラフトは厚いものとなり、表情筋運動は表現されにくい。Recipient siteがフラップの届く場所に限られる。体幹部から頭頸部など、遠く離れた場所に移植する場合、一度前腕を介して筒状にしたグラフトを尺取り虫のように移動するのだが、無理な肢位固定を必要とするうえ、その間は体が皮膚筒でつながれた状態となり外観も悪い。しかもこの場合複数回の手術を要する。 適応?解剖学的に血管分布に合わせてグラフト基部から十分な血流が得られるようなグラフトが採取でき、それをrecipient siteにまで