抗生物质学.DOC

　抗生物質学（Antibiotic Biochemistry） ＜講義の概要?到達目標＞ 　主として感染症およびがんの治療に用いられる抗生物質は、医薬品として現在重要な位置を占めている。今日の化学療法 (chemotherapy) を支える抗生物質について、その構造特性と生物活性、作用機序との関連、および副作用の問題から薬剤耐性菌対策までを、系統的にまとめて理解しようとするのが「抗生物質学」である。 　これらの知識の修得は薬学生にとって必須であり、臨床の各科領域で感染症の変貌が指摘されている現在、日を追って進展する新抗生物質の開発と化学療法の進歩を正しく認識するために、その基礎固めを到達目標とする。 ＜授業計画?内容＞ 第１回　「Introduction—抗生物質とは」 　　　　抗生物質学の位置づけ、抗生物質発見の歴史と概説（p 135-143） 第２回　「抗生物質の化学」序説 　　　　抗生物質生産菌（p 3-14）の分離?培養、抗生物質の抽出?精製、同定（p 144-149） 第３回　「抗生物質の生物活性」序説 　　　　抗菌スペクトルおよび最小発育阻止濃度（MIC）（p 162-166）、抗生物質の作用機序、選択毒性（p 182）、副作用（p 183-187）および薬剤耐性（p 167-181）、抗菌薬の薬物間相互作用（p 187-190） 第４回　「抗菌性抗生物質（１）」 　　　　?　　　　??-ラクタマーゼ阻害剤（p 　　　　207-210） 第７回　「抗菌性抗生物質（４）」 　　　　アミノグリコシド系抗生物質（p 211-214） 第８回　「抗菌性抗生物質（５）」 　　　　テトラサイクリン系抗生物質（p 214-215）およびマクロライド系抗生物質（p 215-218） 第９回　「抗菌性抗生物質（６）」 　　　　ペプチド系抗生物質およびグリコペプチド系抗生物質（p 218-220） 第１０回　「抗菌性抗生物質（７）」 　　　　その他の抗菌性抗生物質：リファンピシン、バンコマイシンなど（p 221-224） 第１１回　「合成抗細菌（抗菌）剤」 　　　　　ピリドンカルボン酸系、サルファ薬（p 224-230） 第１２回　「抗菌剤」のまとめ 第１３回　「抗真菌剤」 　　　　 ポリエンマクロライド系抗生物質、合成抗真菌剤（p 233-240） 第１４回　「抗ウィルス剤」 　　　　 抗ヘルペス薬、抗インフルエンザ薬、抗ウィルス性肝炎薬、抗HIV 　　　　　薬（p 240-248） 薬剤師国家試験出題基準 I　基礎薬学 III 衛生薬学 IV 薬事関係法規及び薬事関係制度 II 医療薬学 　２．医薬品の体内動態 　３．病と病態 　４．剤の調剤と医薬品の管理 　５．薬剤師業務 　１．薬品の作用 P．病原生物に作用する薬物 　a．抗細菌薬 　　　　a　?-ラクタム系薬 　　　　b　アミノグリコシド系薬 　　　　c　マクロライド系薬 　　　　d　テトラサイクリン系薬 　　　　e　ペプチド系薬 　　　　f　ニューキノロン系薬 　　　　g　スルホンアミド系薬 　　　b．抗抗酸菌薬 　　　　a　抗結核薬 　　　　b　ハンセン病治療薬 　　　c. 抗真菌薬 　　　　a　アゾール系薬 　　　　b　ポリエン系薬 　　　d．抗ウイルス薬 　　　　a　抗ヘルペスウイルス薬 　　　　b　抗サイトメガウイルス薬 　　　　c　抗インフルエンザ薬 　　　　d　抗HIV薬 　　　　e　抗肝炎ウイルス薬 　e.　抗寄生虫薬 　　a　抗原虫薬 　　　　b　抗駆虫薬 消毒薬 　a　アルコール類 　b　ハロゲン化合物 　c　フェノール類 　d　過酸化物 　e　アルデヒド類 　f　界面活性剤 化学療法（Chemotherapy） 化学療法：宿主には害を与えずに病原微生物に対して直接特異的に作用し、その増殖を阻止したり、死滅させたりする化合物を用いることによって感染症を治療することを化学療法 (chemotherapy) という。 　化学療法薬（Chemotherapeutic, 感染症治療薬） 　抗生物質（Antibiotics） 　　　　　　細菌 　感染症　　真菌（カビ） 　　　　　　ウイルス “抗生物質学”では教科書として「 微生物薬品化学（南江堂）改訂第４版」を使い、 １章　微生物の発見と分類 ５章　化学療法薬（感染症治療薬）一般論 　　　作用機序 　　　耐性化機構 　　　副作用 化学療法薬（感染症治療薬）各論 　　　を以下のポイントに基づいて講義する。 抗生物質の「系列的」理解 　構造的（基本構造）、生物活性（作用機序）、副作用、耐性 例えば　ペニシリン（Penicillin）やアミノグリコシド 構造的分類 　?-ラクタム 　　　　ペニシリン