第5章拥壁工.PDFVIP

第５章 擁 壁 工 擁壁工の設計は下記によるものとし，詳細については「建設省土木構造物標準設計」(S62.7 )「道路土工－擁壁工 指針」(H11.3 )などにより設計するものとする。 ５－１ 擁壁工の適用範囲 本章はブロック積擁壁，重力式擁壁，もたれ式擁壁，片持ばり式擁壁，控え壁擁壁，大型ブロック積擁壁の設計に ついて示す。 ５－２ 設 計 一 般 １．基本方針 擁壁は，その高さあるいは地盤条件等により構造形式が変わり，さらに現場の状態によっては標準的な構造形式を 用いることができない場合がある。 したがって，下記の事項を総合的に勘案のうえ，設計計画を進めるものとする。 １）設置目的 ２）設置箇所の地形，地質，土質（第１０章 １０－１ 参照） ３）周辺構造物との相互影響 ４）施行条件 ５）設計施工について道路の全体計画，道路設計との関連 ６）経済性，構造的安定感 なお，擁壁の設計手順を図５－１に示す。 第５章 擁壁工 - 131 - 図５－１ 擁壁の設計手順 （H.11.3 道路土工－擁壁工指針P.55 ） ２．設計に用いる荷重 １）荷重の種類及び組合せ 擁壁に用いる荷重は一般的には，自重，載荷重および土圧の組合せとする。 また，高さ８ｍを越える擁壁および擁壁の重要度・難易度考慮して必要に応じて地震時の安定検討を行う。地震を 考慮する場合は，自重，地震時土圧および地震時慣性力の組合せとする。この場合設計水平震度は，次式により算出 するものとする。 ｋｈ＝ｃｚ・ｋｈ０ ここに，ｋｈ：設計水平震度（小数点以下２けたに丸める）。 ０ ｋｈ：標準設計水平震度 ｃｚ：地域別補正係数（１．０） 第５章 擁壁工 - 132 - 表５－１ 地震時の安定検討における設計地震 （H.11.3 道路土工－擁壁工指針P.29 ） 表５－２ 耐震設計上の地震復旧 （H.11.3 道路土工－擁壁工指針P.29 ） 耐震設計上の地盤種別は，原則として地盤の特性値Ｔ G により区別し，表 によるものとする。地表面が基盤面 と一致する場合はⅠ種地盤とする。 表５－３ 耐震設計上の地震復旧 （H.11.3 道路土工－擁壁工指針P.34 ） 地盤の特性値ＴG は，式（ ）によって算出するものとする。 ここにＴG ：地盤の特性値（ｓ） Ｈi ：ｉ番目の地層の厚さ（ｍ） Ｖsi：ｉ番目の地層の平均せん断弾性波速度（ｍ／ｓ） 値は式（１－１３）によるものとする。 粘性土層の場合 Ｖsi ＝１００Ｎi １／３ （１≦Ｎi ≦２５） （１－１３） 砂質土層の場合 Ｖsi ＝８０Ｎi １／３ （１≦Ｎi ≦５０） Ｎi ：標準観入試験によるｉ番目の地層の平均Ｎ値 第５章 擁壁工 - 133 - ｉ：当該地盤が地表面から基盤面までｎ層に