高松城迹.PDFVIP

遺跡紹介 高 松 城 跡 高 橋 伸 二 【遺跡の位置】 S=1/25,000 【遺跡の概要】 高松城跡は岡山市北区高松に所在する平城である。天正 10 年 （1582）羽柴 （豊臣）秀吉 によって水攻めにされたことで知られ、本丸と水攻め堤防の一部が国の史跡に指定されて いる。城郭全体の構造は未知の部分も多いが本丸 ・二の丸 ・三の丸と家中屋敷曲輪が構え られていると想定されている。これまでに２回の発掘調査が行われており、本丸周辺では 城郭の改修にともなう捨て石遺構が見つかり、三の丸付近では井戸や柱穴列、堀などが確 認されている。沼地のイメージが強い高松城ではあるが弥生時代以の集落が築かれる微高 地上に築城されており、防御施設についても自然の沼地だけではなく種々の堀によって区 画されていることが明らかとなった。また、築堤の一部も調査され蛙が鼻付近では杭列や 俵跡、築堤盛土が見つかっている。 【文献】 出宮徳尚1980 年 「高松城」『日本城郭大系13 広島 ・岡山』新人物往来社 高橋伸二2000 年 『備中高松城三の丸跡発掘調査概報』岡山市教育委員会 高橋伸二2008 年 『備中高松城水攻め築堤跡』岡山市教育委員会 【交通】 ＪＲ吉備線 「備中高松駅」下車徒歩 １０分 - 1 - 図１ 高松城推定城郭域 図２ 堀検出状況 （三の丸） ◯昭和 50 年 （1975）年度の調査では本丸周 辺で捨て石 （石垣）や杭列等を確認。 ◯平成9年度 （1997）年度の調査では三の丸 で堀、井戸、柱穴等を確認。 ◯平成10～14年度 （1998～2002）で実施さ れた築堤跡の調査では築堤の基底部の状 況を確認し高さは不明ながら幅が確定さ れた。 図３ 蛙が鼻築堤跡 図４ 築堤基底部平面 （杭列 ・俵跡） - 2 -