放射线科解答解说编.DOC

2000年度放射線科卒業試験問題と解答 １X線CT、超音波検査、MRIの画像再構成法について以下の点から各々対比しながら簡単に述べよ。 a)データ採取に用いる物理学的エネルギー b)抽出できる物理学的情報 c)各位置における物理学的情報に関与する因子 d)位置情報の決定の仕方 e)画像再構成に要する時間 f)コストおよび身体に対する影響 解答：X線CTをCT、超音波検査をUS、MRIをMRと略す。 ａ）CTはX線、USは超音波（周波数3.5～10.0MHz）、MRは磁場（0.1～3.0Tesla）。 ｂ）CTでは各位置のX線吸収係数（空気を－1000、水を0とした相対的なもの）、USでは超音波を反射する強さの程度、MRでは水素原子のNMR信号の強さ。 ｃ）CTではX線管球に流す電流?電圧、スライス厚、再構成アルゴリズム,構成原子の割合?原子番号など。USでは用いる超音波の周波数、各点の深さ、そこに至るまでの各物質による反射の程度（到達する超音波の量）、乱反射の程度、など。MRでは磁場の強さ、水素原子の密度、T1値、T2値、構成する水素原子の化合物の状態、パルスシークエンス,血流,拡散,温度など ｄ）ＣＴではＸ線管球から扇状に出したＸ線が人体を通り円弧状に並んだ検出器に到達したＸ線吸収の積分値を記録する?そのデータを体軸に垂直な断層面内で360度回転させて採取し、逆投射アルゴリズムを用いて、各マトリクスでのＸ線吸収係数を計算する。ＵＳではトランスデューサーから出た超音波がある点で反射して戻ってくるまでに要する時間からx軸方向の深さを計算し、ｙ軸方向にスキャンして画像化する?MRではｘ軸方向に傾斜磁場をかけることにより、位置により磁場を変化させ、それに対応して共鳴周波数も変化させる?位相を変化させる事でy軸方向の位置を決め、得られたNMR信号のフーリエ変換から各成分の周波数、位相を求めて位置を決定する? ｅ）再構成に至るまでの時間はUS（リアルタイム）＜CT＜MRの順に長い? ｆ）コストはUS＜CT＜MRの順に高い?CTはX線被爆の問題がある?USは人体に害がないとされている?MRは妊娠早期に関して,安全性がまだ確立されていない?また、磁性体や心臓ペースメーカーなどを体内に有している場合には禁忌である? ２　脳腫瘍のうち造影CT?MRIにて輪状増強効果を示す具体例を３つ挙げて、それぞれの鑑別について述べよ。 解答と解説： 輪状増強効果とは、造影剤により病変の周辺が増強され、内部は低吸収域を示す像のことである。その機序としては、①病変の周辺に新生血管が形成されるような場合に、新生血管には血液―脳関門が無く、血管透過性が亢進しているので周辺の増強効果が高い、という状態。②血管に富んだ病変において、その内部が変性、壊死、嚢胞形成といった理由で吸収低下域になっている、という状態がある。 脳の腫瘍性病変で輪状増強効果を示す代表的なもの（つまり、覚えた方がいいという意味で）として、膠芽腫と転移性脳腫瘍が挙げられる。もう一つどうしても挙げろと言われたら、中心に壊死巣を持つか、嚢胞を伴ったという条件下で、造影剤で増強される脳腫瘍を挙げるしか無い。このような像を呈する頻度が比較的高そうな脳腫瘍としてここでは（聴）神経鞘腫、下垂体腺腫（下垂体卒中時の出血による内部壊死）を挙げておく。また、輪状増強を呈する疾患として、腫瘍性以外で覚えた方がいいものとしては脳膿瘍と血腫（吸収期）がある。 次に鑑別。膠芽腫（汚くてゴツイ）では、輪の壁が不規則な厚みを持ち、不明瞭な輪郭、辺縁が不整であることが多い。転移性脳腫瘍（わりとスマート）では腫瘍の大きさに比して周辺の脳浮腫が強く、輪郭が平滑で境界は鮮明、輪の幅は一様であることが多い。神経鞘腫、下垂体腺腫は部位が特徴的である。また、膿瘍では非常に転移性脳腫瘍と似た所見を呈し、他の炎症性所見や原発腫瘍の情報が無ければ鑑別は困難なことが多い。また、血腫に関してはその経時的な変化で鑑別をつけることになる。 ３縦隔腫瘍を列挙し、それぞれの臨床的特徴?画像所見の特徴について簡単に記せ。 解答：縦隔腫瘍は縦隔内の組織から発生する腫瘍を指すが、食道?気管?気管支由来の腫瘍は通常除外される? 胸腺腫 　　　　　前縦隔 　　　　　中年以降 　　　　　約半数で特有の症状を呈する。 　　　　　重症筋無力症,純赤血球貧血、低γ―グロブリン血症 　　　　　　（カルチノイドではACTH産生しCushing症候群） 　　　　　円形～楕円形、辺縁は分葉状 　　　　　よく染まる腫瘤 　　　　　浸潤性胸腺腫では心膜,血管,肺へ浸潤し境界の脂肪層が消失 　　　　　進行例では胸腔内播種、ときに遠隔転移も 奇形腫 　　　　　前縦隔 　　　　　若年者、約