电解加工装置-J-STAGEJournals.PDFVIP

Vol.61, №4,2010 315 電解加工装置 小　尾　伸　昭a a ㈱アクリテック（〒258︲0019　神奈川県足柄上郡大井町金子1018） Electro-Chemical Machining Device Nobuaki OBIa aAcritech Corporation(1018, Kaneko, Oi-machi, Ashigarakami-gun, Kanagawa 258-0019) Key words : Electro-Chemical Machining, Electro-Chemical De-Burring Machine, Electro-Chemical Grinding Machine, EDM ECM, Device Configuration の材料には酸化 ・サビ発生などが起こる。また，アルミニウ 1．はじめに ム系の材料には，酸化アルミニウムが生成する。 　電解加工（Electro-Chemical Machining）は，金属からなる被 3．電解加工技術の適用例 加工物（ワーク）と対向電極（治具）とを微小間隙を隔てて対峙 させ，間隙に電解液（加工液）を高速で移動させながら電流を 　電解加工は以下の特徴を有している。 流すことにより，被加工物が対向電極の形状にしたがって溶 【長所】 解することを利用して加工を行うものである。すなわち，エッ ①電極に比例して加工速度が増大するので，大きい加工速度 チングや放電加工と同様の被加工物の一部を除去する加工方 を得ることが容易である。②原理的に対向電極の消耗がない。 法である。電解加工は，短時間で大量の荒加工を行うことが ③被加工物の硬度に関係なく加工ができる。④加工速度を増 できるだけでなく，種々の電流波形を用いたり，他の加工法 加しても面粗さは悪化しない。⑤加工変質層が生じない。⑥ と組み合わせたりすることにより，特徴ある加工を実現して 加工圧力が小さい。⑦複雑な形状でも，その形状の対向電極 いる。 を用いることにより，一工程にて加工可能である。 　本稿では，主として電解加工装置の設計のポイントおよび 【短所】 使用上の留意点などについて説明する。 ①加工間隙に均一な高速液流を流す必要がある。②機械の防 錆，防食を充分に施し，ガス発生などに注意しなければなら 2．電解加工の原理 ない。③被加工物の材質によっては不働態皮膜を生ずる。④ 　最初に電解加工の原理について簡単に説明する。電解加工 細かい加工屑（スラッジ）が多く発生するために，その除去に では，被加工物を直流電源の陽極端子に接続し，対向電極を 考慮が必要である。⑤加工精度が多くの要因によって左右さ 陰極端子に接続する。すると陽極では酸化反応，すなわち， れるために，十分な管理が必要である。 金属の溶解（電解）反応である陽イオン化反応が進行する。す 　上記特徴から，電解加工の適用が始まったころから，金型， なわち，加工量（電解量）は電流