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（財）住宅保証機構におけるバルコニー防水の仕様 はじめに 　平成12年4 月より、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」、いわゆる「品確法」が施行されま したが、この法律においては、すべての新築住宅の雨水の浸入を防止する部分について、住宅供 給者は 10 年間の瑕疵担保責任を負うことが義務付けられました。 　つまり、屋根・外壁などから雨漏りが発生し、かつその施工に瑕疵があったと認められた場合は、 建築請負人は建物引渡しから 10 年間その責任を負わなければならないというものです。 　ちなみに、ここで言う瑕疵とは、 　「10 年間の瑕疵担保責任の対象となるのは瑕疵であり、瑕疵とは目的物が契約に定められた 内容や、社会通念上必要とされる性能を欠いていること」 　であると理解して下さい。 　この法律が出来る以前、住宅の瑕疵担保責任に関しては、部位によって数年程度の責任が民法 で定められていただけでしたので、この法律の制定は建築業者に大きな影響を与えることとなりま した。 住宅保証機構について 　（財）住宅保証機構は、住宅建設業者等が住宅の品質及び性能について長期の保証を行うこと を支援する「住宅保証制度」等を運営する機構です。住宅保証機構は主として中小の工務店等を その対象としており、平成 13 年度の性能保証住宅の登録戸数は１１万戸以上、登録業者数も４万 ４千社以上、となっています。 住宅性能保証制度とは？ 　「住宅性能保証制度」は、冒頭にご紹介した品確法の制定に大きく関わっていますが、（財）住宅 保証機構が実施している制度であり、内容を簡単に説明すると、「住宅の品質及び性能について 保険制度を活用した最長 10年の長期保険」ということになります。建築業者は、この制度（保険）に 加入しておくことにより、万が一自社の施工で品確法による瑕疵担保責任が発生した場合でも、損 害はこの保険により充当されるというものです。 性能保証住宅設計施工基準について 　（財）住宅保証機構では、「住宅性能保証制度」を利用する上での必要条件として「性能保証住 宅設計施工基準」を定めており、ここで定められた技術基準に従って施工することが、後の保険金 支払いの条件となっています。 　平成 16 年 4 月、（財）住宅保証機構は技術基準である「性能保証住宅設計施工基準」及び「性 能保証住宅標準仕様」を改定しました。改定された設計施工基準では、屋根、外壁、バルコニーな どの雨水の浸入を防止する部分についてそれぞれ技術基準が定められていますが、ここでは「バ ルコニーの防水」について以下詳細をご紹介致します。 バルコニーの防水の設計・施工基準について 　「性能保証住宅設計施工基準」、第８条に「バルコニーの防水」が規定されていますが、その第２ 節、第２項では下記の通り定められています。 「防水材は、下地の変形及び目違いに対し安定したものであり、かつ破断又は穴あきが生じにくい ものとしなければならない。なお FRP 防水にあってはガラスマット補強材を２層以上としたものであ ること」 　従って、バルコニーの FRP 防水においては、ガラスマット２プライが必要最低条件で、ガラスマッ ト１プライの仕様では保証対象外であり、瑕疵担保責任が発生した場合でも保険金は支払われな いことになります。 　なお、第１項及び第３、４項では、勾配、壁面との取り合い等についても以下のように規定されて いますので、これらの基準に従うことも必要になります。 第１項：１／５０以上の勾配を設けなければならないこと。 第３項：壁面との取り合い部は、開口部の下端で 120ｍｍ以上、それ以外では250mm 以上立ち 上げ、シーリングを設けなければならないこと。 第４項：排水溝は勾配を確保し、ドレン取り付け部は防水層の補強及び取り合い部の止水処理を 施すこと。 バルコニー防水の標準仕様について 標準仕様は、標準的で推奨する仕様を参考として示したもの、という位置付けです。 　ここでは（社）日本建築学会の「FRP 防水工事施工指針（案）・同解説」に規定された「F-B 仕様」 が標準仕様として記載されています。詳しくは標準仕様書をご参照下さい。