地道な業務改善の積み重ねが「本当のチーム医療」の確立を導く.pdfVIP

社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス 海老名総合病院 院長 う ち や ま き い ち ろ う 内山 喜 一郎 さん 地道な業務改善の積み重ねが 「本当のチーム医療」の確立を導く いつも患者の側にいる ような仕事をしたい，と思うようになったの 医者でありたい です。 早速ですが，医師を志望されたのは，ど 内科ではなく外科を選ばれたのは？ ういう動機からですか？ 　テレビドラマ「ベン・ケーシー」の影響で 　私の育った環境は，よくあるような開業医 すね。主人公が，格好いい脳神経外科医でし の家ではなくて，父は横浜中央卸売市場の鮮 たから（笑）。ケーシー型白衣というのは， 魚の仲買人でした。私は 3 人兄弟の長男で， あのドラマから流行ったのです。 家には父母と祖父母と叔父の合計 8 人が一緒 　それに，内科はあれかこれかと考えながら に暮らしていました。 診療しますが，外科は良いところと悪いとこ 　ところが，祖母が結核に感染し，おばあち ろ，手術すれば治るかどうかといった点がス ゃん子でいつも側で寝ていた私まで感染して パッとわかる。気が小さくて内気な性格でし しまいました。当時は結核についての正しい たが，かえって単純明快なものが好きになり， 知識がない環境だったのです。学校は留年も 外科医の道を選んだのです。 せずに通いましたが，体育の授業はいつも見 学でした。 内気な性格でしたら，手術で血を見て卒 　そんな子ども時代を過ごしたので，将来は 倒したりしませんでしたか？ 病気を治し，正しい病気の知識を伝えられる 　意外にそうでもなかったのです。学生時代， 2 QC No.613 　 解剖実習がありまして，白い布で覆われた遺 体を前にした瞬間は，凄いショックなんです。 4 人一組で実習するんですが，私は人体に触 れながら学んで解剖に興味津々で，毎回出席 しました。ところが，ほかの 3 人はしょっち ゅう欠席していましたね。血液を見てもまっ たく恐怖感はありませんでした。 第4回業務改善発表会入賞チームのみなさん 　あれは院長になる前で，現場でもっと外科 別の質問ですが，先生が座右の銘とされ 医らしい仕事をやっていた頃ですが，当時の ている言葉は？ 外科病棟の看護師さんは，看護から介護，薬 こうそんちゅう かえり なお 　孟子の「公孫丑」に，「自ら反みて縮 くんば， の配薬，配膳まで何でもやっていました。一 いえど ゆ 千万人と雖 も吾れ往かん」という言葉があり 人で何役もこなしてしまう。大変きつかった ます。自分で決めたことや行動を振り返って はずです。だから辞めていったり，過労に陥 みて，正しいと思ったら，どんなに抵抗され ったり，悩んでいる人もたくさんいました。 ちょとつもうしん ても貫けという教えです。猪突猛進ではなく， この看護師さんの業務をもっと分業化できな 「自ら反みて」という部分が重要ですね。 いか，というのが出発点でした。 　今，病院長という立場にあって，いろいろ 　ちょうどその頃，東京医科歯科大学の川渕