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2007『地域社会学』 レポートの課題と方法 １．レポートの課題と様式 【課題】 具体的な「地域ないし地域社会に関わるテーマ」をとりあげ、自分なりに「問 い」を設定し、それに対する解答を追求しなさい。なお、取り上げたテーマに関する具体 的な資料収集を行うことを強く推奨する。 【様式】 ワープロ・パソコン文書でA4 サイズでプリントアウトして提出するのが望まし いが、手書きでも受け付ける。字数は 4000 字（40*40 字で 2 枚半）以上。図表・写真も字 数に含めて計算してよい（一つの目安として、図 1 つで 400 字分と考えるとよい）。 【締切】 12 月 14 日（金）授業時間終了時まで。授業で提出、または文学部棟406 の中 澤研究室の斜向かいにある郵便物受けに提出。 ２．地域調査の方法 （１）対象とテーマの決定 まずは対象地を決めること、決まっていない場合には、自分の住んでいる地域や千葉を とりあげるというのが妥当だろう。何らかの形で地域社会学のテーマに結びついているテ ーマなら、参考文献も多く楽である（参考文献表に提示した諸文献などをめくって自分の 関心に即した題材を探すという手もある）。 （２）資料収集 【どこに行くべきか】 まずは官公庁に行くのが常套手段。市の全体像を知りたいときに は「市勢要覧」をもらい、そこから深めて行く。テーマが決まっている場合には、当該自 治体の図書館にある「郷土資料」コーナーか、市役所の「情報公開コーナー」「市政情報コ ーナー」などに行き、関連資料をコピーする。開発や福祉など特定の争点については、地 元新聞の縮刷版を調べてみるのも有効な手段である。千葉新聞のような「県紙」の他にも、 「ふなばし読売」といったよりローカルな地方紙があり、千葉県立・市立図書館などに入 っている。また運動が発行しているミニコミならば、埼玉大学共生社会研究センター （http://www.kyousei.iron.saitama-u.ac.jpi）に置いてあるかも知れない。 【レファランス・ブックス】 こうしたレポート作成が、社会人になっても役に立つ点が あるとすれば、レファランス・ブックスの所在と使い方を修得できることである。自らの 扱うテーマが、全国レベル・都道府県レベルの中でどのような位置づけになるのか、統計 などで確かめてみるとよい。そのさい『統計ハンドブック』（後掲）や『日本統計年鑑』等 が役に立つ。また最近では、インターネットで公開されている行政資料も多い。中央省庁 1 2007『地域社会学』 のホームページを覗くといいが、とりわけ総理府統計局のものが充実している。 地域調査の手法について紹介している文献には、（森 1996）のようなものがある。近年 では自治体の財政分析に関する本が増加しており（千波 1997）、自ら簡単な分析を試みるの も一案である。 【ヒアリング調査】 本講義のレポートにおいては、インタビューやヒアリング調査まで 要求してはいない。しかし、テーマによっては関係者や役所の話を聞くことが出来れば、 内容が生き生きしてくることもあるだろう。 ＊「調査公害」という言葉があることからも分かるように、今日社会学だけでなく様々な 学問分野、企業、マスコミ、行政においてヒアリング調査・アンケート調査は常態化して おり、調査に辟易している対象者はとても多い。社会人としての礼儀を弁え、最初に自分 の調査目的を説明し、また調査後には必ず礼状を出すなどすること。 【アンケート調査】 調査票調査を行いたいと思うこともあるかも知れない。しかし、費 用・時間もさることながら、サンプリングや調査票作成の手続き等を考えると、レポート ではあまり現実的ではない。加えてそもそも調査票調査というものは、基本的に「仮説を 確認するために行うもの」であり、分からないことを分からないまま調査票にしても何も 分からない。 （３）分析と記述 人文社会科学の論文・レポートは、まず「問い」「課題」を設定し、それに対する答えを 提示するというのが基本構造である。その答えを説得力あるものにするために、さまざま な論点や資料を提示し、それを分析してゆく手続きが必要なのである。だから「問い」「課 題」がとても重要である（ 「問題を解決