【行政法とは】-hissho.pdfVIP

【行政法とは】 行政法とは行政に関する法であるが、 そもそも行政とはなにか？ ↓この点憲法で学習するとおり ・立法 → 一般的・抽象的法規範の定立 （＊ルール作り） ・司法 → 具体的な紛争を法の適用により解決すること （＊トラブルの解決） ↓一方で ・行政 → 多種多様であり、積極的な定義づけは困難なため、 （通説によると）あらゆる権力作用から、立法と司法を除いた残りすべて （行政控除説） ↓このように 行政作用は多種多様であるから、 この行政をコントロールするための法律も無数にあり、 逆に 『行政法』という一般法は存在しない。 ↓そして 【行政法で学習する内容は】ザックリ言うと以下のとおり！ ・行政法の共通理論 ・用語のマスターと判例 ・重要な法律 （例. 行政手続法、情報公開法）の条文知識の暗記 【行政法と民法の違い】 ＊行政法ワールドをイメージする上で非常に重要！ 【民法】 売買や賃貸借などの契約が中心であり、 相手方は承諾するか否かを任意に選択できる （＊契約を強制はできない） ↓したがって危険は少ないので 法律の規制は程々にし、ある程度当事者の自由 （自治）に任せてよい。 【行政法】 行政行為という 行政が国民に対し 権力的に （一方的に）義務を課す行為が中心である。 （＊課税処分や営業停止処分をイメージする） ↓その背景としては 行政は多数の国民を相手とするため、 迅速処理のため 行政行為等で一方的に強制せざるを得ないのである。 ＊契約で逐一任意に交渉していたのでは、事務処理が遅延してしまう。 ↓但し行政の濫用防止のため 法律によるコントロールが必要である （＊根拠法が必要となる） - 1 - 【行政法の全体的なイメージ】 行政法で学習する内容は、大別すると ①行政の組織 ②行政の作用 ③国民の救済方法 の３つであるが、以下で概略を押さえる。 行政 ①組織 （＊組織論は行政学で詳しく学ぶので、行政法ではポイントのみで十分 ！） ②行政作用 ＊行政指導、行政計画など様々な作用があるが、 最重要なのは行政行為 （＊行政が国民に一方的に義務を課す行為）である 例. 課税処分 国民 営業停止処分 行政の各種作用により、 国民の権利が侵害された場合 【③国民の救済方法】 ＊これには以下の救済類型があり、詳しくはテキストの後半で学習するが、 現時点で以下の概要は覚えておくこと！ 国家の作用が ・適法の場合 （例 国立公園建設のため、適法に土地収用した場合） → 損失補償請求 （＊憲法２９条３項も適用される） ・違法な場合 （例行政のミスで営業停止処分を受けた場合） 金銭で賠償 → 国家賠償請求 （＊国家賠償法） 当該違法な処分を除去 （取消）してもらう！ ・裁判所に取消訴訟を提起 （＊行政事件訴訟法） ・行政機関に不服申立てをする （＊行政不服審査法） ・処分庁への異議申立てと ・上級庁への審査請求がある。 - 2 - 【行政法の法源】 ＊マイナー分野だが意外と出題されているのできっちり押さえる！ 行政 ①営業停止処分 ②営業停止処分を取消すよう 取消訴訟を提起！ Ａ 裁判所 ↓当該取消訴訟において 裁判官の判断基準になるものを 法源という。 ＊法源の正確な定義は分かりにくいので イメージを掴めば十分 ！ ↓そして 【行政法の法源】には以下がある！ ①成文法が中心（＊条文があるもの） ＊憲法 条約 法律 命令 （＝行政が定立するル