「スポーツの社会学」について考える RL ight.pdfVIP

Title 「スポーツの社会学」について考える Author(s)高津, 勝 Citation研究年報, 1996: 9-12 Issue Date1996-08-01 Type Departmental Bulletin Paper Text Versionpublisher URL /10.15057/7609 Right Hitotsubashi University Repository 2．「スポーツの社会学」について考える 高津勝 1。竹之下休蔵とrスポーツの社会学」の スポーツ科学の基礎部門として、スポーツの事実 　提唱 や問題を社会的観点から、実証的・客観的に研究 しようとする。　（①P。18）」と。残念ながら、 　1960年代の半ばにrスポーツの社会学』を編ん この言質から、　r社会学の特殊的・専門的分野」 だ竹之下休蔵と磯村英一は、　rスポーツの社会学」 であるrスポーツの社会学」が、なにゆえにrス とはスポーツのr社会的側面の研究」であると規 ポーツ科学の基礎部門」たりうるのか、うかがい 定するとともに、　rそれは、スポーツが社会学的 知ることはできない。しかしながら、竹之下が に研究できるということでなく、現代のスポーツ rスポーツの社会学」をrスポーツ科学」のr特 が社会学的研究を必要とするものになったためで 殊」「専門」的な領域としてではなく、r基礎」 あるといわなければならない。（①P．2）」と論じ 的領域に位置づけ、スポーツ科学との統一性、な た。スポーツの社会的側面の研究に関する竹之下 いし有機的な関連性を重視していたことは確かで 休蔵らのアプローチには、スポーツに対する社会 ある。 的必要に由来する諸問題を解決しようとする姿勢 が顕著である。いわく。　r現代スポーツを特徴づ ーツ社会学部会で行なったrスポーツ社会学の定 ける傾向として、大衆化、高度化、企業化（プロ ・スポーツ）があげられる。これらはいずれも、 ciology）」と題する報告は、竹之下の「スポー 19世紀以降、とくに今世紀にはいってからの激し ツの社会学」構想に大きな影響を与えた（①P，26） い社会変化と関連するものである。　（中略）要す 。ただし、ヴォールの構想と竹之下の構想には大 るに、現代のスポーツは、国民の健康や教育、青 きな違いが存在する。なぜなら、ヴォールが、 少年問題やレジャーの問題と関連をもつだけでな rスポーツ社会学」の研究対象として、（1）娯楽 く、経済や政治とも関係をもつようになった。そ としての（競技者および観衆の）スポーツ、（2） の社会的側面の研究が重要になったというべきで 競技、（3）スポーツと人間関係・組織・社会構造、 あろう。　（①P．1－2）」と。そのような見解にも （4）スポーツの社会的機能という、4つの問題領 とづき、竹之下はrスポーツの社会学」のr問題 域を設定したのに対し、竹之下は、r大衆化をめ 領域」として、スポーツの「大衆化」r高度化」 ぐる問題」、rチャンピオンのスポーツをめぐる r企業化」という3領域を提唱したのである。方 問題」、「プロ・スポーツをめぐる問題」という 法論的にではなく、むしろ現代スポーツの「問題 3つの問題領域を対置しているか