WIPO第27回商標工業デザイン及び地理的表示の法律に関する常設委員.docVIP

WIPO第27回商標?工業デザイン及び地理的表示の法律に関する常設委員会(Standing Committee on The Law of Trademarks, Industrial Designs and Geographical Indications)についての報告(案) 2012年10月15日 国際活動委員会　長谷　玲子 WIPO国際事務局主催の、「商標分野におけるインターネット仲介業者の役割と責任に関する情報会議」（2012年9月17日（月））および第27回SCT（2012年9月18日（火）～9月21日（金））が、スイス国ジュネーブのWIPO国際会議場において開催されました。国際活動委員会からオブザーバーとして、参加しましたので、以下にその内容をご報告します。 「商標分野におけるインターネット仲介業者の役割と責任に関する情報会議」 最初にモデレーター（Marcus Hpperger氏（WIPO））が、本情報会議は情報共有を目的とし、提案を出すものではないことを説明した。 Session 1: インターネット仲介業者の定義 ①　Cedric Manara氏 (LegalEDHEC Research Center) インターネット仲介業者を定義するため、その概要について説明した。インターネット仲介業者は、アクセス／サービスプロバイダ、レジストラだけでなく、インターネット上の商取引に関わる広範な業者を含むが、発展途上の産業であるため未だ定義は確立されていない。商標の保護への対応も様々である現状を説明した。 ②　Markus Kummer氏 (Internet Society – ISOC) インターネットを管理しようとするこれまでの国際的な話し合いについて説明し、インターネットは、政治面?経済面からの影響を排除したユーザー主体の開かれた環境であるべきであり、また、インターネット仲介業者は中立的立場にあるべきであると主張した。 Session 2: 商標の使用とインターネット－問題点と解決策(i) ①　Severine Abis氏 (Procter Gamble International Operations S.A./MARQUES) 欧州におけるインターネット情報に関する通知?削除等のアクション及び新たに増加するgTLDへの対応について説明した。欧州ではE-commerce Directive 2000/31/ECにおいて指針は示されたが、ホスト、事実の認識等について具体的な定義の明確化が必要であること、また、通知?削除等の方法について改善すべき課題があることについて説明した。新たなgTLDへの対応についていくつかの提案をした。 ②　Jean Bergevin氏 (Internal Market DG) インターネットを介した模倣品の取引に対する対策が、EU域内において不十分であることを指摘し、権利者とインターネット仲介業者の間の情報共有と協力関係が重要であると説明した。その具体例として、Memo of Understandingを紹介した。 ③　David Ho氏(A) 自社が運営するサイト（Alibaba）の商標権等保護プログラム（AliPtotect）について説明した。また、商標保護の責任は権利者にあると主張し、プロバイダが抱える様々な問題点について説明した。 Session 3: 商標の使用とインターネット－問題点と解決策(ii) ①　Terri Chen氏(Google Inc.) インターネット仲介業者であると同時にブランドオーナーでもあるGoogleの立場から、インターネット上のAd Word、You Tube等における商標の使用に関する方針及び模倣品対策について説明した。インターネット仲介業者は、商標使用の可否を判断する立場にはなく、ユーザーと権利者のバランスを考慮したアプローチを取っているとのこと。その具体例として、You Tubeで商標を使用したパロディー等を紹介した。一方、模倣品対策に関しては、模倣品摘発のための技術的ツールの開発、ユーザーから模倣品情報を通報しやすいシステム等の努力について説明した。 ②　Juan E. Vanrell氏 (Interamerican Association for Intellectual Property – ASIPI) 南米諸国では、インターネット上の著作権の保護に関する法律はあるが、商標の保護に関する法律はない。インターネット仲介業者を保護するような法律もない。地域でインターネット上の商標侵害をモニターするような対策が求められている。 ③　Minsu Kyeong氏 (Korean Intellectual Property Office) インタ