産総研電子加速器施設（2003年）.pdfVIP

The 14th Symposium on Accelerator Science and Technology, Tsukuba, Japan, November 2003 産総研電子加速器施設（２００３年） A) A) A) A) A) 三角 智久 ，山田 家和勝 ，大平 俊行 ，小川 博嗣 ，鈴木 良一 ， A) A) A) A) A) B) 清 紀弘 ，豊川 弘之 ，安本 正人 ，大垣 英明 ，野口 勉 ，岡部 茂雄 A) 産業技術総合研究所 光技術研究部門 〒305-8568 茨城県つくば市梅園一丁目 1-1 B) 岡部計測工業所 〒154-0003 東京都世田谷区野沢一丁目 7-13 低エネルギー加速部では～60―75 MeV の電子ビームが 概要 得られ，それを低エネルギー実験室に輸送して高強度の低 過去2 年間に発生した主なトラブルを中心として産総研 速陽電子ビームを生成し，それを高度に制御して得られる 電子リニアック TELL の現状を報告する。電子銃の交換作 極短パルスビームによって，様々な物質の表面?近表面? 業にともなうトラブルおよび高周波窓の破損による加速 界面での各種欠陥や最表層状態の分析?評価などの物性研 管への浸水事故により，2 年間ともかなり長期間の運転休 究をおこなっている。 止を余儀なくされたが，ようやく回復に向かいつつある。 中エネルギー加速部では～130―160 MeV の電子ビーム TELL で得られる電子ビームを利用しておこなう研究につ が得られる。その電子ビームを中エネルギー実験室に輸送 いては，極めて簡単に項目の紹介だけをおこなっている。 して，直交遅延磁場型偏光可変アンジュレーター（小貫型 アンジュレーター；PU-2）を有する小型蓄積リング NIJI-II 1 はじめに に入射し，PU-2 で得られる特異な放射光を利用する様々な 研究がおこなわれている。 産業技術総合研究所光技術研究部門（つくば中央第二事 高エネルギー加速部では～280―350 MeV の電子ビーム 業所）の電子加速装置では，電子リニアック（TELL）を が得られる。実験モードに応じて，π実験室にある自由電 中心として，その周囲に 5 実験室を配置してある。TELL 子レーザー研究専用蓄積リング NIJI-IV または隣接の建屋 は加速管 20 本から成っていて，そのうち初めの 4 本（低 にある汎用蓄積リングTERAS に入射される。 エネルギー加速部）は長さが～2 m，残りは中エネルギー 以下では，最近発生したトラブルを主体として，TELL 加速部 4 本と高エネルギー加速部 12 本で，すべて～3 m 長 の状況を報告する。 である。 最近数年間は，ほぼコンスタントに年間～1.5 千時間の 2 TELL の状況 稼働時間を記録している。上記 5 実験室のうち，2 実験室 には加速部の途中からビームを取り出して輸送するよう 平成 13―14 年度（2001 年 4 月―2