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NEDO海外レポート　NO.1069, 2010.12.24 【ライフサイエンス?バイオ】神経細胞再生 マイクロチップ 急速に進む神経細胞再生の研究 （米国） マイクロチップ技術により、生物体内で神経を再生する化合物の迅速な識別が可能に 科学者らは長い間、神経細胞（ニューロン）再生の可能性を模索してきた。神経細胞の 再生により、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経疾患と同様に、脊髄損傷にも 新しい治療法の提供が可能になる。多くの化学物質は、研究所のペトリ皿の中で培養され た神経細胞の再生を可能にする。しかし、生体内で作用しているこれらの化学物質を確認 することは困難で時間がかかる。ヒト用の薬剤開発にとって、この点は非常に重要である。 Nature Physics 誌で記述された手法を用いれば、医療から航空工学まで幅広い分野で使 用される材料を、より簡単に、より安価に分析できるようになるだろう。 MIT のエンジニアらは、線 虫である C エレガンスの単 体の神経細胞に迅速な手術 を行う手法を開発した。白い 線は軸索 (他の細胞に情報を 伝達する神経細胞の長く伸 びた突起) を表している。 Image: Craig Millman and Yanik Lab 現在、MIT のエンジニアらは新しいマイクロチップ技術を使い、神経系の研究によく使 われている「C エレガンス(c elegans)注1」という名の小さな線虫を用いて潜在的な薬品テ ストを迅速に行っている。Mehmet Fatih Yanik 准教授と同僚らは、この新しい技術を活 用し、多数の生物に迅速なレーザー手術と薬の投与、その結果として生じた神経細胞再生 の撮像を行った。 「X 線機器の各後続世代機種は、最初のレントゲン写真や DNA （デオキシリボ核酸） の構造決定など、科学の新境地を開拓してきた」と研究者らは指摘した。現在はシンクロ 注2 注3 トロン が、さらなる高解像度の画像システムを可能にする高輝度 X 線 を、すべての学 注1 caenorhabditis elegans ：線虫の一種、通称シー?エレガンス 注2 荷電粒子の加速装置の一種 58 NEDO海外レポート　NO.1069, 2010.12.24 問分野の研究者らに提供している。しかしシンクロトロンは、サイズが大きく、莫大な導 入費用がかかることから、世界にはごくわずかなシンクロトロンしか存在しておらず、こ れらの設備を使う機会に対する需用は、供給をはるかに上回っている。 「我々の技術は、研究者が、いずれは哺乳類、おそらくはヒトを対象とした試験が見込 まれる、有望な化学物質を迅速に識別することをサポートする。」とYanik 准教授は語る。 この技術を使い、研究者らはすでに神経細胞を再生させる見込みのある化学物質の部類を 1 つ特定している。 この論文は 10 月 11 日の週の「米国科学アカデミー紀要（Procee