KEK-PS-Boosterの無同調型高周波加速装置.pdfVIP

The 14th Symposium on Accelerator Science and Technology, Tsukuba, Japan, November 2003 KEK-PS-Booster の無同調型高周波加速装置 A) A) B) B) B) 二宮重史 、戸田 信 、木藤清明 、東 定仁 、平島照久 A) 高エネルギー加速器研究機構 〒305-0801 茨城県 つくば市 大穂 1-1 B) 電気興業株式会社 〒243-0303 神奈川県愛甲郡愛川町中津桜台 4052-1 概要 ２台の空洞のギャップでのImpedance の実測値を図 1 に 示す。この Impedance を再現するシミュレーターの回路を 本高周波加速装置は、同調無しで、電力効率を大きく損 次の図 2 に示す。 なうことなく、2MHz から 6MHz までの帯域を持たせたも のである。広帯域の特長を活かして加速開始時には加速周 波数の第 2 高調波を重畳することも考えている。 加速電場が従来のほぼ 2 倍近く高いので、加速空洞の中 間に 40cm 程度の空間が出来た。ここに補正電磁石を設置 することも出来る。 さらにこの加速空洞は強制空冷方式を採用しているの も大きな特徴のひとつである。 1 経過 筆者らは、卓上陽子シンクロトロンの高周波加速装置の 一つの可能な形として、分布増幅器による、広帯域で、加 速電場が高い無同調型高周波加速装置を提案した[1]。これ には帯域外に共振性のImpedance のピークが存在している ことが分かっていたので、強いビーム強度の加速器への応 図 1 ：加速ギャップでのImpedance の実測値と図-2 の回路 用は不可能であろうと考えていた。しかし、このImpedance Model 計算の値。 のピークは、ある程度小さく出来ることがわかり、KEK-PS のブースター加速器への応用を提案した[2]。 その後、電力効率を上げるために、電力増幅器を Push-pull 構成に改めたので、それをここで報告する。これ はもはや分布増幅器ではなく、周波数の高域は、Low-pass Filter の原理を用いて、拡張したものとなっている(原理は 1992 年に提案している[3])。しかし、分布増幅器の遅延回 路も Low-pass filter と言えることから、これもそのカテゴ リーに入れても良いのかもしれない。 図2 ：加速ギャップでのImpedance を再現するmodel. 2 無同調型高周波加速装置 図 2 で、C1 は構造から来る容量で、この 70% は磁性体 部の同軸構造からの寄与である。他の R, L は磁性体の 2.1 加速空洞 Impedance を再現している。磁性体の材質(Hitachi 初期の設計は、磁性体のテストピースを用いて、高周波 metal:FT3M) さえ同じなら、形状因子、F=T ?ln(Dout/Din) をス での Impedance を見積もり、磁性体のサイズを決定した。 ケール?ファクターとして、他の形状でもこの Model を適 加速ギャップまわりの等価容量は、Mapping 法を用いて計 用できる。我々の場合、表 1 から、T=0.175m, Dout/Din=2 で 算した。空洞は２台使用する。その１台分の空洞?磁性体 ある。 等の諸元は第 1 表の通りである。