気象庁一元化震源に基づいた温泉地学研究所地震データベース.pdfVIP

気象庁一元化震源に基づいた温泉地学研究所地震 データベースの整備と今後の課題 ＊ ＊ ＊ 永井　悟 ・棚田俊收 ・本多　亮 Preliminary report of system construction for earthquake database in HSRI based on JMA unifi ed catalog by Satoru NAGAI, Toshikazu TANADA, and Ryou HONDA 1. はじめに 象庁がデータ処理センターとして日常監視業務を行って 温泉地学研究所（以下、温地研）では、「神奈川県西 2004 いる（中村、 ）。気象庁による一元化処理データ （以下、 部地震」発生メカニズムの解明や箱根における地震活動 気象庁一元化地震データ）は全国で発生した地震を同基 といった、神奈川県西部やその周辺域における地震活動 準・同方法で処理した均質なデータベースで、地震・火 監視を目的として、地震観測処理を行っている（温泉地 山月報や地震年報などのCD-ROM や出版物と公開され、 1999 2005 学研究所、 ；伊東ほか、 ）。温地研の地震観測 地震研究者・防災関係者・一般国民が広く利用できるよ 14 1 処理では、所有・管理する 地震観測点（図 ）によ うになっている。このような均質な気象庁一元化地震デ るデータの他に、「大学および国公立研究機関等間の地 ータに基づいて、温地研における地震データベースを整 震観測データに関する一元化処理」協定に基づいて使用 備することは、地震記象に関する調査研究の基本データ 可能な他の機関による観測点のデータも使用している。 ベースを作成することになり、種々の調査研究の基盤と また、温地研観測点のデータも「一元化処理」に基づい なるものである。 て他機関に提供されている。 また、温地研では箱根における地震活動監視を目的 1997 9 10 一元化処理は、 （平成）年 月に始まり、気 として、観測点は箱根を中心に密に配置されている。さ 図 1　温泉地学研究所地震観測処理で使用されている神 図 2　気象庁一元化処理において使用されている神奈川 奈川県及びその周辺の地震観測点（2008（平成 20） 県及びその周辺の地震観測点。観測点記号の説 年 9 月現在）。観測点記号の説明における略称は、 明における略称は、HSRI ：神奈川県温泉地学研 HSRI：神奈川県温泉地学研究所、Hi-net：防災科 究所、JMA ：気象庁、Hi-net：防災科学技術研 学技術研究所（Hi-net）、ERI：東京大学地震研究所。 究所（Hi-net）、ERI：東京大学地震研究所。 * 神奈川県温泉地学研究所　〒250-0031　神奈川県小田原市入生田586 報告，神奈川県温泉地学研究所報告，第40巻，51-58，2008． らに神奈川県西部及びその周辺の観測点を補うために他 した後、検測値と震源要素を最終値として確定する。な 機関の観測点を使用しているが、これらの観測点密度は